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ワインの資格として人気が高まっているWSET=Wine&Spirit Education Trust。
私のHPでもアクセス数が上位なので、思い出しながらWSET Level 3の試験について記述します。
まず、重要なのが、WSET本部(イギリス)の方針で、試験だけを受けることはできません。
講座を受講してから最終回で試験というカリキュラムです。
私はアカデミー・デュ・ヴァンで日本語クラスを受講したので、そのまま日本語試験を受けました。
実はレベル2からレベル3に進む際に英語クラスを受講しようか迷い、先生にご相談したところ、「ワインについてきちんと理解するために、日本語クラスが良い」と勧められました。
本格的にワインの勉強を始めて間もないこともあって、結果的に日本語クラスで良かったです。
後からいくらでも英語でワインを学ぶ機会はありますから。
後日ご紹介するフランスワインを学ぶ国際資格French Wine Scholarはオンライン学習&試験は、いずれも英語のみ。WSETと違って、ジュラ地方やコルスカ島などフランス各地のワインを取り上げていて、地形や土壌、その地方の歴史も試験範囲に含まれます。
WSET Level 3試験の流れ
さて、WSET Level 3の試験は、オリエンテーションも含めると計3時間ほどです。
オリエン後、テイスティング試験30分間(赤・白 1種類ずつ)。
その後休憩時間があります(筆記のみ受験する方はここから参加)。
再びオリエン後、筆記試験2時間。内容は選択式50問、記述式4問で、いくつか設問があります。
時間配分は選択式に30分、記述式1問につき20分✖︎4、見直しに10分という感じにしました。
WSETは過去問がなく、試験の内容を公表することは認められていません。
ただ例題は選択式・記述式ともに授業開始時に渡される資料一式に載っていますので、それを参考にしました。
テイスティングの失敗コメント・模範コメントも記載されているので試験前に見直しは必須です。
まずはテイスティング試験
WSETのテイスティングはSATと呼ばれる基準に沿って記述します。
1)外観→色の濃さ、色
例:中程度のレモン色
2)香り→強さ、特徴、発達段階
例:香りの強さはやや強く、発達中である。ドライアプリコット、ハチミツ、ガソリンの香りがする。
香りの記述は3つ以上記入すること。
・ブドウ本来が持つ果実と発酵による香りと風味のプライマリー
・発酵後の醸造過程でもたらされる香りと風味のセカンダリー
・熟成によってもたらされるターシャリー
それぞれ感じられたら1つ以上は入れる。
反対にプライマリーしか感じられない場合もある。
3)味覚→甘味、酸味、タンニン(赤のみ)、アルコール、ボディ、風味の強さと特徴、後味
例:このワインはオフドライで酸は高く、アルコールは中程度、ボディはミディアム(+)。
風味の強さは強く、後味は長く、ドライアプリコット、ハチミツ、ガソリン、アーモンド、クリームの風味がする。
4)結論→品質レベル、飲み頃のレベル/熟成の可能性
例:このワインは品質が非常に良い。
今飲んでも良いが、熟成の可能性がある。
これはアルザスのグラン・クリュの上質リースリングをイメージしたコメントです。
ただ、WSETは品種を当てることを求めていません。このワインは「アルザスのリースリング」と記入する欄すらないのです。
大切なことは目の前のワインから「何を感じ取るか」ということ。
特にボディと品質は非常に迷うところですね。
これがすべてにおいてストロングなイタリアのバローロ(ネッビオーロ種)だと迷わず、酸は高く、タンニンは多く、アルコールが強く、フルボディ!!と自信を持って言えるのですが。
試験ではグラスに50ml程度注いだものが配布されますが、飲み干してしまっても大丈夫。
挙手すれば、注ぎ足して頂けるので、納得いくまでテイスティングできます。
ただ、飲み過ぎには注意!その後に筆記試験が控えていますから(笑)
次に筆記試験
①選択式50問
4択で正しいものを選ぶものや誤っているものを選ぶものがあり、テキストからまんべんなく出題されます。
逆に言えばテキストからしか出題されないので、丁寧にテキストを読み込むことが大切です。
②記述問題4問
やはり記述問題が難関でしょうか。
1本のワインが出来上がるまでには主に2つの要因から成り立っています。
一つはテロワール(土壌)や品種といった自然要因。もう一つは栽培、醸造、貯蔵、市場といった人的要因。
テスト問題はWSETが求める「ワインを解明する:スタイルと品質をひも解く」が問われている内容でした。
〇〇国△△地方のワインがこのスタイルになるのには、栽培方法も含め、どんな環境でブドウが育ち、どういった過程で製造されるのか?ということをしっかり理解しておく必要があります。
そしてワインと料理についての組み合わせや保管方法、サービスの仕方も復習しておきましょう。
勉強法
1)テキストの読み込み→PCを利用したノート作り
2)授業時に配布されたプリントの練習問題と解答の見直し
シンプルですが、この2つです。
「勉強法」といっても何から取り組めば良いのかわからなかったので、理解を深めるためにもテキスト内容をまとめることにしました。
MacのNumbersを使って一覧表を作り、ブドウ品種や国別に分け、より視覚的にわかりやすくしたのです。
1)理論
2)フランス
3)ヨーロッパ
4)ニューワールド
5)発泡性と酒精強化
6)ブドウの特徴
7)記述式問題
8)テイスティング
上記のように、8つの項目を作り、1)から5)まではテキストの項目通りに要点をまとめました。
6)ブドウの特徴はレベル2のテキストが大活躍。
主要品種について、見た目の色、香りや風味、タンニンなど感覚を文字にして覚えました。
7)記述式問題は資料に載っていた例題や授業で配布された練習問題をすべて書き出し、ブドウ品種(ワインのスタイル)、栽培(自然要因と特徴)、収穫、発酵などに分類しました。
テキストを読んでわかったつもりでいても、「問題」として問われると、スラスラ答えられないことも多く…(反省)。
8)テイスティングは授業で先生がコメントされた模範解答を中心に、テキストも参考にしながらまとめました。
酸、タンニン、アルコールなど一覧にすることで、ワインの特徴がよりわかりやすくなったかと思います。
特に難しかったのが、「シンプル」なワインを識別することでした。
例えば、イタリアのお手頃ピノ・グリージョの場合。
若いワインで、香りはレモンやライムなどの第一のアロマしかなく、ライトボディで後味も短く、今が飲み頃の「妥当」な品質のもの。
テスト直前にインターネットで購入し、「シンプル」なワインとはこういうものなんだ!ということを改めて復習しました。
テスト前は白3本、赤3本を一度に開栓し、ワイングラスを3つ並べてブラインドテイスティングを繰り返しました。
そうすることで色、香りの違いがより明確になりました。
WSETが伝えたいこと
あるワインについて、どんなスタイルなのか理解できるようになるのが大切だということです。
ワイン売り場に立ち、ラベルを見た時に、このワインはどんな気候のどんな畑から、どういった栽培方法と醸造法で造られたのか?
早飲み用なのか?あるいはじっくり熟成させて、よりポテンシャルが高まるのか?といったことが学習前と比べてわかるようになり、ワインの魅力にまた一歩近づくことができたかなと思います。
それからWSETクラスと並行してアカデミー・デュ・ヴァンにて「フランス語/英語で学ぶフランスワイン」講座も受講しました。
ワインについてフランス語での表現、その土地のスペシャリテ(郷土料理)とワインのマリアージュ(組み合わせ)、ワイン産地の歴史をスライドで学んだりして、資格試験の授業とはまた違った楽しみがありました。
もちろん、毎回テイスティング付き。生徒さんはワイン好きでフランス好きな人ばかり。
レベル3の上であるディプロマホルダーの方もいらして、レッスン最終日には学校近くにあるアラン・デュカスプロデュースの「BENOIT」(ブノワ)で懇親会が開かれ、ワイン仲間と充実した時間を過ごすことができました。