アルザス人形
FRANCE

5分で読める。よくわかるフランスワイン講座1/アルザス

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ワインって難しそう。どれを選んだら良いかわからない…
こんな悩みをお持ちの方も多いと思います。

この記事では、フランス各地のワインについて、どんな歴史があるのか、
どんな畑から造られるのか、ブドウの品種など、幅広くご紹介します。
フランス旅行はもちろん、ワイン初心者の方や家飲みの参考になれば嬉しいです。

さあ、フランス北部から南部に向かってBon voyage(良い旅を)!

歴史

アルザスでは古くからワインが生産され、西暦2年には出荷されたという記録が残っています。
繁栄を極めたのは16世紀のルネサンス時代。

そして19世紀後半にはブドウを襲ったフィロキセラ(アブラムシの一種)対策のために大量収量&低品質であるハイブリッドなブドウの樹が植えられました。

アルザスはドイツと政治的な背景から密接な関係がありました。そのため多くの影響を受けています。
1)ラベル表示
2)リースリングの栽培
3)フルートボトル
4)ドイツ語読み

気候

アルザス地方は南北に広がり、夏は暑く、冬は寒い乾燥した大陸性気候です。
vosges山脈にさえぎられるため年間降水量は394-495mmとフランスで最も雨が少ないエリアです。

昼と夜の日較差diurnalが大きく、夜の冷たい空気がブドウのフレッシュな酸味を保ちます。
そのため白ブドウの栽培に適しているのです。
太陽の光を多く受けられるようブドウ畑は南から南東向きに位置しています。

・春ー比較的穏やかですが、時々霜の被害があるため、高い位置に植えられます

・夏ー暑く乾燥しているため干ばつに注意が必要です

・秋ー湿度による貴腐が発生することがあります。また雷雨や雹もみられます

・冬ー寒いのでブドウは休眠状態になります。リースリングにとって必要な要素です

地形

ライン川流域に畑があり、グラベンという垂直方向に隆起した墓のような地溝になっています。
アルザスの特徴は多様性。1840年には150種類を超えるブドウ品種がありました。
そうしたことから地質は花崗岩、石灰岩、砂など13種類と多岐にわたっています。

アルザス建築
アルザス特有の建築

品種

7つの主要なブドウ品種があり、6つが白ワイン用で1つが赤ワイン用です。

1)Riesling
2)Pinot Blanc=(synonym別名はPinot Vrai/Klevner)→クレマン生産に使用
3)Gewurtztraminer
4)Pinot Gris=Tokay d’Alsace
5)Pinot Noir→赤ワイン用の黒ブドウ
6)Sylvaner
7)Muscat à Petits Grains Blanc
このほか、Chardonnay,Chasselasなどがあります。

4つの貴品種

上記の中でも特に重要なのが
・Riesling
・Gewurtztraminer
・Pinot Gris
・Muscat à Petits Grains Blanc
これらは貴品種と呼ばれ、Grand Cruなど上質ワインに使用されます。

品種とブレンド

アルザスで生産されるワインの80%はラベルに品種が表示されています。
その場合、100%その品種でなければいけません。
「リースリング」とあれば、100%リースリングから造られています。

その一方でブレンドワインには、それぞれ規程があります。
1)Gentil 
50%以上が4つの貴品種から造られること

2)Edelzwicker
アルザスAOCの白ワインから造られること

これらのブレンドワインはアルザスAOCとして認定されています。
クレマン(スパークリング)もほとんどピノ・ブランを中心としたブレンドで造られています。
アルザスワインの20%はブレンドワインです。

クグロフ型
伝統菓子に使用されるクグロフ型

Pinot BlancとPinot D’alsaceの違い

この2つはブレンドの品種が異なります。
Pinot Blanc(Klevner)はPinot Blanc100%、またはAuxerrois Blancとのブレンドです。

一方、Pinot D’alsaceはAuxerrois Blanc、Pinot Blanc、Pinot Noir、Pinot Grisのブレンドで比率の規定はありません。

特徴

アルザスのワイナリーはLeon Manbachなど、ほとんどが代々受け継がれてきた家族経営です。
白ワインの生産が90%を占め、75%がフランス国内で消費されています。

Style 1 Dry wine
地球温暖化によって糖度の高いブドウが生産されるようになり、今日では補糖はほどんど行われていません。
ワイン法では残留糖分について規制していません。

フルーティーさを保つために、ほとんどのワインの発酵はステンレスタンクか、大きいニュートラルなオーク樽にて行います。
原則としてほとんどの辛口の白ワインは新樽使用もマロラクティックも行いません。
平均温度が高くなった結果、ピノ・ノワールの色素がしっかり出るようになりました。

Style 2 Sparkling/Crémant d’Alsace
クレマンダルザスは伝統的製法(シャンパーニュと同じ)で造られ、少なくとも9ヶ月は熟成されます。
法律により、厳選された白ブドウとロゼはピノ・ノワールから造られます。

シャルドネ、ピノ・グリ、リースリング、ピノ・ブラン、ピノ・ノワールの100%あるいはオーセロワなどのブレンドです。ゲヴェルツトラミネールは禁止されています。

残留糖分によって、下記のように分かれます。
ーExtra Brut no dosage
ーBrut <1.2% 
ーExtra Sec(Extra Dry) 1.2-1.7%
ーSec(Dry) 1.7%-3.2%
ーDemi-Sec 3.2%-5%

アルザスノエル
ノエルの飾り付け

Style 3  Sweet/Dessert Wine
1) Vendanges Tardives
リースリング、ピノ・グリ、ミュスカまたはゲヴェルツトラミネールの遅摘みから造られます。
ブドウの成熟が進むと貴腐が発生しますが、貴腐ブドウの使用は義務ではありません。
また糖度と酸味のバランスを必要とするので、MLFマロラクティックはしません。

2) Sélection de Grains Nobles
同じくリースリング、ピノ・グリ、ミュスカまたはゲヴェルツトラミネールの遅摘みから造られます。
ただし貴腐ブドウから造られることが求められます。

どちらもブドウの成熟度合いが大切なので、機械収穫ではなく手作業にて収穫します。

AOCアルザス

51のGrands Crus(白ワインのみ)、そしてcommunal(13地域)とlieux-dit(ブドウ畑の区画)という2つのサブカテゴリーがあります。

Grands Crusには3つあります。
1)単体のブドウ品種
2)Altenberg de Bergheim
単体のほかブレンドもOK。ただしリースリング主体で50%以上含まれていること。
3)Kaefferkopf
単体のほかブレンドもOK。ただしゲヴェルツトラミネール主体で60-80%以上含まれていること。

ブドウ栽培

アルザスはオーガニックとバイオダイナミック農法の拠点となっています。
また多岐にわたる土壌や恵まれた地形から収穫時期は一定ではなく、9月から11月まで長期に及びます(早い収穫から遅摘みまで)。

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