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FRANCE

5分で読める。よくわかるフランスワイン講座3/ブルゴーニュ①

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ブルゴーニュといえば、ピノ・ノワール!
赤い果実系のアロマとフレーバーを持つチャーミングなピノ・ノワールが大好きという方も多いと思います。もちろん私もその一人。
意外にも、現在は赤ワインより白ワインの生産が多いブルゴーニュを一緒に旅して行きましょう。
さあ、Bon voyage!

歴史

450年頃のブルゴーニュ一帯は修道院が支配し、教会がミサのためのワインを必要としていたためブドウ畑が拡大していきました。当時の教会は権力と富を持ち、その影響力は絶大でした。

面白いことに多くの教会はミサに白ワインを使用していたそうです。
その理由が「祭壇のリネン生地を汚したくなかったから!」
赤ワインの染み抜きは大変ですものね…

そしてこの頃から現代でも有名なブドウ畑Clos de BèzeやCortonが命名されていました。

1443年に設立されたオスピス・ド・ボーヌは庶民のための慈善病院でしたが、現在は11月の第3日曜日にワインの競売会が開かれる「栄光の3日間」の会場になっています。
世界中からワイン愛好家が集まる賑やかな一大イベントです。

オスピスドボーヌ
オスピス・ド・ボーヌ

1804年にナポレオン・ボナパルトが「ナポレオン法典」によりワイン畑を分割することを定めましたが、ブルゴーニュはその影響を受けませんでした。

1847年にはルイ・フィリップ国王がブドウ畑の名前を村自体の名前にする権利を与え、Gevrey-Chambertinが誕生しました。その後、Volnay、Meursault、Pomardなどが続きます。

1986年にブルゴーニュのワイン生産の60%は赤でしたが、今日では66%を白が占めています。
80年代に白ワインの需要が急増したためで、それに伴いシャブリとマコネは植栽を拡大しました。

気候

約224kmと広範囲にわたり南北に広がるブルゴーニュは半大陸性気候で、北部は大西洋、南部は地中海からの影響を受けます。
ブドウの収穫については、暖かい南部のマコネでは9月初旬から、涼しい北部のシャブリでは9月下旬から行われます。

品種

フランスの他の地域と違って、ブレンドすることはほとんどなく、単一品種からワインが造られます。
主要な品種はChardonnayとPinot Noirです。
補助としてAligoté、Pinot Blanc、Gamayなどがあります。

・Bourgogne Blanc AOC→Chardonnay
・Bourgogne Aligoté AOC→Aligoté
・Bourgogne Rouge AOC→Pinot Noir
・Passe-tout-grains AOC→ほとんどがGamayだが、3分の1はPinot Noirか Pinot Liebaultでなければならない
・Crémant de Bourgogne AOC→スパークリングで、Sacy,Aligoté,Chardonnayなどから造られる

土壌

ブルゴーニュの土台は花崗岩です。
その上にMarlと呼ばれる石灰岩を多く含む粘土質の土壌が重なっています。
ブルゴーニュではブドウ畑の位置がとても重要です。

丘の頂上は表面の土が薄く、雨が最も少ない(低い土地へと流れ出る)ので、品質は普通です。
グラン・クリュに使用される上質のブドウは斜面の中腹に植えられています。
そこは土の層がちょうど良く、雨も適度な量で、日当たりが十分なため、ブドウが良く熟します。

そして丘の底辺は土壌が深く、水量も豊富でブドウの樹にとっては栄養過多になり、特徴と個性の少ない果実になる傾向があります。何事も適度が大切なんですね。

同じブドウ品種でも土壌によって出来上がるワインのスタイルは異なります。

■Pinot NoirはLimestone(石灰岩)やMarl(粘土を多く含む石灰岩)土壌を好む

ピノ・ノワールは土壌によって仕上がるスタイルが下記のように異なります。
+Limestone石灰岩=淡い色素、軽やかでエレガントなワイン、強いアロマ
+Marl=エレガントさは少なく、しっかりとした果実味が増す
+Clay(粘土質)=アロマや複雑さは少なく、ボディが強調される
 5年から7年の瓶熟成を必要とする

シャルドネ畑
シャルドネの樹

■ChardonnayはMarl土壌を好む
+Marl=非常に濃厚なフレーバーを持ち、熟成に向く
+Clay=まろやかで深みがあり、素朴さを持つ
+Limestone=柑橘系のアロマとミネラルを持ち、酸味が高い

AOC

シャンベルタン
ジュヴレ・シャンベルタン

AOCは生産地域、ブドウ品種、最終的なアルコール度数、製造過程、ラベルまで規定があります。
ピラミッドに例えると、トップから順に次の通りです。

・Grand Cru 33 AOCs→全体の2%
・Premier Cru 635 AOCs→全体の10%
・Village Cru 44 AOCs→全体の36%
・Regional 23 AOCs→全体の52%

Crémant de Bourgogne

クレマン・ド・ブルゴーニュはシャンパーニュと同じ伝統式製法(瓶内二次発酵)で造られたスパークリングワイン。
主にChardonnayとPinot Noirを使用したBrut(辛口)スタイルがほとんどです。

酸味は中程度~高く、北部の冷涼な地域で生産されたものはリンゴやレモンのアロマとフレーバー、南部の温暖な地域で生産されたものはアプリコットやモモのアロマとフレーバーを持ち、Autolysis(パンやブリオッシュ)が感じられます。
ブラン(白ブドウ主体)、ノワール(ピノ・ノワールのみ)、ロゼ(ピノ・ノワール+ガメイ)もあります。

一般的なクレマンは9ヶ月以上の熟成が必要でしたが、品質向上のために、最近2つのカテゴリーが加わりました。
1)Eminent
最低24ヶ月以上、澱との熟成が必要

2)Grand Eminent
最低36ヶ月以上、澱との熟成が必要+3ヶ月以上のセラー熟成が必要
アルコール度数は10%以上
クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブランはシャルドネとピノ・ノワールのみ使用
ロゼは20%までガメイを使用できる

次回は5つの生産地域について詳しくお伝えします。

ブルゴーニュ地方のブドウ栽培地域クリマ/ 黄金の丘から生まれる奇跡
5分で読める。よくわかるフランスワイン講座3/ブルゴーニュ②

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