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ブルゴーニュはフランス国内で最もAOCが多い産地で、バラエティ豊かなワインが勢揃い。
同じブルゴーニュ地方でも北部の畑と南部の畑ではワインのスタイルが違います。
白ワインの場合、北部のシャブリではキリッと引き締まった酸味とミネラル感が顕著ですが、南部のマコンではピーチやメロンといった甘いフルーツの風味があるふくよかなスタイルに仕上がります。
今回はその南部の畑について見て行きましょう。さあ、Bon voyage!
3)The Côte de Beaune
まず、コート・ド・ボーヌの続きから。代表的なものをいくつか見て行きましょう。
Pernand-Vergelessesには2つのGrands Cru、8つのPremiers Cruがあります。
白ワインは熟したリンゴ、トーストしたナッツの風味にミネラルとしっかりした酸味を持っています。
土壌は粘土質が多い泥灰土なため(=冷たい)、赤ワインは瓶熟成させるのに最低5年以上かかります。
首都ボーヌでは42のPremier Cruがあり、全体の3分の2を占めています。
しっかりめのタンニンが特徴で、スミレの花、黒スグリ、ブラックチェリーなどの風味があり、熟成がすすむと、トリュフ、スパイス、皮革のアロマが現れます。
PommardとVolnayは赤ワインのみ生産。隣り合った畑(ポマールが北、ヴォルネイが南)なのに、ポマールは若いうちはブラックベリー、ブルーベリー、プラムの風味を持ち、熟成がすすむと皮革や野生動物のにおい(強烈な獣臭という感じ)を醸し出します。
一方、ヴォルネイは柔らかくしなやかな口当たりが特徴で、ダークベリーや木の香りの風味を持ち、熟成するとスパイスやプラムの風味が現れます。
このように畑の違いが明確に出るので、これらの組み合わせのテイスティングも面白いと思います。
ちなみにヴォルネイは1300年代、マルタ騎士団の商業ネットワークのおかげでブルゴーニュで一番有名な畑になったそうです。
白ワイン好きのみなさま、お待たせいたしました!
ブルゴーニュが誇る白トリオといえば、Meursault、Puligny-Montrachet 、Chassagne-Montrachetですね。
ムルソーでは96.5%が白ワインで、そのうち3分の1がPremier Cruです。
リッチでクリーミーなテクスチャーを持ち、若いうちはリンゴやオートミール、熟すとコーヒーやヘーゼルナッツ、シナモン、ハチミツの風味が現れます。
ピュリニュー・モンラッシェには4つのGrands Cruと17のPremier Cruがあります。
パワフルなスタイルで、マジパン、ゴールデンアップル、バター、焦がしたアーモンドやハチミツの風味を持ちます。
アレクサンドル・デュマ著「三銃士」の中に「このワインの前では帽子をとってひざまづかなければならない」という表現があります。デュマのワインに対する思いが感じられますね。
シャサーニュ・モンラッシェは3つのGrands Cruと19のPremiers Cruがあります。
ピュリニューと共用しているいるので、そのスタイルは似ています。
ここでは赤ワインも生産されていて、キルシュ(さくらんぼのリキュール)や黒スグリ、下草の風味から熟成するにつれ、皮革や毛皮に変化します。
4)The Côte Chalonnaise
コート・シャロネーズにおいて、赤ワインはタンニンがしっかりした力強くフルボディ、白ワインは白い花(アカシアなど)や熟したリンゴの風味を持つバランス良いスタイルです。
■場所と気候
ブルゴーニュの南部に位置し、東にはソーヌ川が流れています。
一般に夏は暖かく、冬は乾燥する大陸性気候です。
■ブドウ品種
このエリアで栽培されているブドウは次の通りです。
・Chardonnay
・Aligoté(Bouzeron AOC)
・Pinot Noir
・Gamey
■土壌
およそ2億万年前に形成されたLimestoneとMarl(粘土を多く含む石灰岩)が主体で、ブルゴーニュで最も古いものです。
■生産されているワイン
62%がピノノワールから造られる赤ワイン、38%が白ワインです。
コート・シャロネーズでは赤・白・ロゼ・スパークリングと幅広いスタイルのワインが生産されます。
Rullyには23のPremiers Cruがあり、クレマン・ド・ブルゴーニュの産地として知られています。シャンパーニュと同じ伝統式製法(瓶内二次発酵)で生産されます。
Mercureyには31のPremiers Cruがあり、最も多く生産されているのが赤ワインです。
チョークのようなタンニンとしっかりとした酸味があり、ストロベリー、チェリー、下草の風味を持っています。
Givryでも赤ワインが多く生産されています。26のPremiers Cruがあり、しっかりとしたタンニン、強烈なベリーの風味が特徴です。
Montagnyは白ワインのみ。スタイルはミディアムボディで、中程度の酸味と繊細なミネラル感、ヘーゼルナッツの風味を持っています。
5)The Mâconnais
■場所と気候
ブルゴーニュの最南端に位置し、一般に夏は暖かく冬は乾燥する大陸性気候です。
■ブドウ品種
このエリアで栽培されているブドウは次の通りです。
・Chardonnay
・Aligoté
・Pinot Noir
・Gamey
■土壌
・Limestone and marl シャロネーズと同じくブルゴーニュ地方では最も古い地質です。
・Granite(花崗岩)and schist (片岩)この組み合わせが見られるのはブルゴーニュ地方で、このエリアだけです。
ブルゴーニュ地方コート・ドールにおいて急斜面の中腹が最上級の畑であり、急斜面の上部は表土が薄く(雨で流されるため)、降水量が少ない(平野部へと流れ出る)という特徴がみられます。
■生産されているワイン
マコネでは18世紀まで黒ブドウのガメイが主に栽培されていましたが、19世紀に入って、より土壌に合った白ブドウのシャルドネに代わりました。
マコンAOCとラベルがついた白ワインが80%を占めています。なおMâcon-village AOCは白ワインしかありません。
注目すべきAOCは辛口白ワインのPouilly-Fuissé。シャルドネから造られます。Pouillyの名前は近隣にVinzelles,Lochéがあり、どれも繊細なフルーツと花のアロマ、ミネラル感が特徴です。
Saint-Véranはかつて「Beaujolais Blanc」として売られていましたが、1971年にマコネに加わっています。シャルドネから造られる親しみやすいデイリーワインです。
Viré-Clesséは1999年に認定された最も新しいAOCです。熟したフルーツ、ゴールデンアップルなどの風味を持っています。
個人的にマコン・ヴィラージュのフルーティーでふくよかな白ワインが大好きで、よく頂きます。寒い時期にはお鍋料理にも合いますよ。
ネゴシアン
ところで、ブルゴーニュでのワインビジネスにNégociantsは欠かせません。
ネゴシアンとは、ブドウ畑の規模が小さかったり、自社で瓶詰めして販売することのできない生産者から(機械を一式揃えるのに費用がかかる、年に数回しか使用しないので効率が悪い等)、ブドウやワインを購入する会社のことです。
ブルゴーニュのブドウ畑は位置によって品質が大きく異なるため(丘の斜面が一番高品質)、小さな区画でも非常に高価で購入が難しいのが現状です。
ブルゴーニュにドメーヌは2828、ワイン商は113あり、生産されるワインの52%がネゴシアンを通して販売されています。
地球温暖化
世界各地で地球温暖化の影響が出ていますが、ブルゴーニュ地方でも20年前と比べ、ブドウ収穫の時期が10日間早くなりました。
収穫時のブドウが温かいため、発酵前にブドウを冷やすプロセスが必要になったのです。そうすることでデリケートなアロマを保ちつつ、変色やバクテリアの繁殖を防ぐこともできます。
一方で、ブドウを保管するケースやスペースが必要になり、電気代もかかるデメリットがあります。
Wine Making
ブルゴーニュの生産者は昔ながらの伝統的な手法を取り入れています。
野生酵母を使用して発酵することで、テロワールに忠実なスタイルに仕上がります。
熟成には繊細なニュアンスを大切にするため、古いオーク樽を使用することが多いです。
5分で読める。よくわかるフランスワイン講座3/ブルゴーニュ①