イースター街並み
JOURNAL / DIARY

フランスとショコラの甘い関係 / Salon du chocolat Paris 2025 現地レポート

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2026年イースター(復活祭)のフランス。
子孫繁栄や豊穣の意味を持ち、春の訪れをイメージさせるうさぎ。
そしてチョコレートのイースターエッグをあちこちで見かけます。
デパートやスーパーの特設コーナーに金や銀のリボンで飾られたチョコレートボックスが山積みになっていて、眺めているだけでもワクワクした気分になります。

フランスにとってチョコレートは特別な存在。
特に真冬は一歩外に出ると、石畳が多いパリの街は足元から冷気が立ち上ってくるような感覚で、手袋やマフラー、帽子が欠かせません。

そんな人々の心と身体を温めてくれるホットチョコレートは冬の風物詩。
10月くらいからビストロやカフェの店先でホットチョコレートが売られ、クリスマスマーケットでも必ずホットワインと並んでホットチョコレートの屋台に行列ができています。

冬に限らず、フランス人は一年中チョコレートをよく食べます。
パン・オ・ショコラ(ボルドー以南はショコラティン)、定番デザートのプロフィットロールなど、1日の中でチョコレートを見ない日は無いといってもいいくらい。

プロフィットロール
プロフィットロール

フランスでは一人当たりの平均年間消費量が6.4kgで、世界第10位。
日本は2.1kg(日本チョコレート・ココア協会 2023年統計)なので、その差はなんと3倍も。
クリスマスのプレゼントやホームパーティーの手土産に悩んだら、チョコレートを贈ればまず間違いはないです。

フランス政府(経済・財務省)の発表によると、チョコレートの売り上げが伸びるのはクリスマスの時期に6億6500万ユーロ(約1,230億円)、キリストの復活を祝うイースターの時期に2億500万ユーロ(約379億円)。
統計的にもフランスとチョコレートは切っても切れない甘い関係なのです。

チョコレートの歴史

フランス人の日常に欠かせないチョコレート。その歴史は17世紀まで遡ります。
スペインからフランス王家に嫁いだ王女がチョコレートを好んで飲んでいたことから、貴族の飲み物として人気でした。
当時は「飲む」ものであって、現代のような「食べる」ものではなかったのです。
それを「食べる」ようになったきっかけは、あの有名なフランス王妃マリー・アントワネットでした。

マリーアントワネット
マリーアントワネット

当時王妃は頭痛を抱えていて、それを和らげるための苦い薬を飲むのを嫌がっていました。
そこで国王ルイ16世の薬剤師だったシュルピス・ドュボーヴが、王妃のために薬にカカオとアーモンドミルクを加えてコイン型のチョコレートにしたのです。
王妃はそれを大変気に入りました。
その後、彼はチョコレート専門店として設立し、ドュボーヴ・エ・ガレという名で200年以上経った現代もパリ市内で営業を続けています。

国家が認めるチョコレート職人

ドュボーヴ・エ・ガレをはじめ、フランス国内には多くのチョコレート専門店が存在します。
チョコレートの帝王と呼ばれるジャン・ポール・エヴァン、パトリック・ロジェ、ベルナシオン、クリスチャン・コンスタン、ジャン・シャルル・ロシュー、ジャック・ジュナン、メゾン・ド・ショコラ…。

オススメは?と聞かれても、どれも最高級のカカオを使用した宝石のようなチョコレートで、とても1つのお店だけを挙げることはできません。
日本に支店を持つところも多く、フランスだけでなく世界中で愛されています。

フランスでは様々な職業にMOF(Meilleur Ouvrier de France)国家最高職人の称号が与えられています。
これは高度な技術を携え、伝統を重んじ、完璧な職人技を持つ人のみが受けられる名誉なことで、そこにはチョコレート職人もいます。

審査は3、4年に一度のため、受賞者はわずか20数人しかいません。
MOFの称号を受けた者だけが、コックコートの襟元にフランス国旗の象徴である青・白・赤のトリコロールカラーを入れることが許されるのです。

世界最大のチョコレートの祭典

このMOFチョコレート職人を含め、フランスだけでなく各国のチョコレートを一堂に集めた世界最大のチョコレートの祭典が「サロン・デュ・ショコラ」です。
開催会場は発祥の地パリのほか、ニューヨーク、イスタンブール、リマ、ドバイ、モントリオール、上海、リヤド、ムンバイ、そして東京。

産地別チョコ
産地別チョコ

フランス・パリでは毎年10月最終週から11月の初めにかけ5日間にわたって、この祭典が行われています。
2025年は10月29日から11月2日までパリ市の南西部にある展示会場ポルト・ド・ベルサイユで開催されました。
私はチョコレートエキスパートの資格を取得するほどチョコレートが大好きで、本場パリのサロン・デュ・ショコラにも10回近く足を運んできました。

パリに移住してからはいつでもお気に入りのチョコレートショップに行けるようになりましたが、この祭典はチョコレート好きにとって聖地ともいえ、開催を心待ちにしていたので、10月28日に行われた前夜祭を取材がてら訪れました。
前夜祭は数年前から招待客に加えて、一般入場者もチケットを購入すれば参加できるようになっています。

オープニングセレモニーでは名誉ゲストとして登場したジャン・ポール・エヴァンがスピーチ。
『チョコレートは世界共通の言語である。人々を結びつけ、感動させ、旅へと連れ出す稀有な力を持っている』特設ステージの前で、いよいよ始まるという熱気を感じながら、まさにこの言葉通りだと思いました。

30周年の節目ということで、これまで以上の盛り上がりを見せた2025年の「サロン・デュ・ショコラ」。
訪れた人は9万6000人、約30カ国から250のブースが設置されました。
会場にはジェフリー・カーニュ、ヤン・クヴルール、セドリック・グロレ、ニーナ・メタイエらスターシェフが登場。
恒例の一流シェフによるチョコレートのワークショップのほか、チョコレートの彫刻やラジオの特設ブースも設置され、さらにコンクールの授賞式も行われるなど会場は大賑わいでした。

中でも、30周年を記念して初めての試みであるチョコレートでできたドレスのファッションショーとミュージカルが一体となったスペシャルショーは客席から大きな歓声が上がりました。
チョコレートで見事に再現されたふわりと広がるドレスを身に纏ったモデルが「マンマ・ミア」や「メリーポピンズ」の名曲に合わせて華麗なステップを踏むと、拍手と歓声に包まれていました。
ドレスだけでなく、帽子や傘といったアクセサリーもチョコレートで作られ、デザイナーの個性あふれる作品として光っていました。

チョコ衣装のミュージカル
チョコ衣装のミュージカル

日本人ショコラティエの活躍

フレンチレストランだけでなく、チョコレートの分野でも日本人が大活躍。
パリのサン・ポール地区に店を構えるレ・トロワ・ショコラ・パリの佐野恵美子シェフ、ル・ショコラ・デュ・アッシュの辻口博啓シェフやテオブロマの土屋公二シェフといったベテラン勢に加え、若手チョコレート職人も日本から出展していました。
会場で何人かと話をさせて頂きましたが、カカオの高騰といった大きな問題を抱えながらも世界に挑む意気込みを感じ、心から応援したいと思いました。

日本人シェフが作るチョコレートは山椒やワサビなど和の食材を取り入れたり、チョコレートの表面に日本画のようなデザインを施してあったり、商品の説明書から包装に至るまでとても細やかな心配りが行き届いており、フランス人から大絶賛でした。
私が日本人ショコラティエのブースにいた時、50代くらいのフランス人男性が店員から熱心に説明を受ける姿が印象的でした。

2026年のSalon du chocolat Parisは10月28日〜11月1日まで開かれます。
その時期に合わせ、フランスを訪れてみてはいかがでしょうか?

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